令和元年度 由利組合総合病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 762 160 121 230 265 402 1213 1543 1453 542
【全指標に係る集計条件について】

 この病院指標では、DPCデータから全国統一の定義と形式に基づいた指標を作成し地域の皆様に公開しております。このDPCデータから見た当院の現状をもとに、当院の地域における役割を把握し、さらなる医療の質向上に努めてまいります。なお、この指標は、厚生労働省の令和2年度「病院情報の公表」に係る病院情報の集計条件等に基づいて作成しております。
 現在公開している病院指標は、令和元年度(平成31年4月1日~令和2年3月31日)中に当院を退院された患者様のDPCデータを集計の対象としております。
 DPCとは、Diagnosis(診断)、Procedure(処置;手術、検査等)、Combination(組合せ)の略で、診断群分類に基づく包括支払制度のことです。この制度では、患者様の病名や症状、一連の医療行為をもとに、診断群分類という国で定めた1日あたりの定額点数を決め、そこに出来高で評価される点数を組み合わせて入院医療費を計算します。DPCコードは14桁あり、傷病名と手術、処置の有無の組み合わせによって決定されます。
 DPC対象となる方は一般病棟に入院された患者様です。DPC対象外となる方は、自賠責保険や労災保険、自費等の患者様です。また一般病棟に入院された後、24時間以内に死亡された患者様のデータ等も含まれておりません。
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■年齢階級別退院患者数について 
 
 令和元年度に当院の一般病棟を退院された患者様の年齢階級別患者数です。年齢は入院日時点の満年齢とし、10歳刻みの年齢階級別に集計しております。退院患者の年齢構成を見ることで、その病院の患者構成や特徴をある程度知ることができます。
 当院は、秋田県南西部の由利本荘・にかほ地域の中核病院として、幅広い年齢層の患者様にご利用いただいております。とりわけ70歳代以上の患者様が全体の約半数を占めており、高齢者の入院が多い傾向がわかります。また、少子化の中にあって新生児・乳幼児の患者様の割合も多い傾向にあり、地域における周産期医療の役割も大きく担っていることが反映された結果となりました。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 100 29.81 20.84 7.00 87.89
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし 63 18.08 12.58 1.59 81.78
180010x0xxx0xx 敗血症(1歳以上) 手術・処置等2なし 54 27.67 19.29 3.70 81.65
100380xxxxxxxx 体液量減少症 49 12.76 9.13 8.16 77.14
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 30 24.83 17.71 0.00 92.73
【診断群分類別患者数等について】
 
 診断群分類別患者数等では、診療科別に患者数の多い上位5つまでのDPC14桁コードを抽出し、DPC14桁コード、DPC名称、患者数、自院の平均在院日数、全国の平均在院日数、自院の転院率、自院の入院日時点での平均年齢を集計したものです。
 DPC14桁コードとは、DPCの診断群分類を決定する14桁のコードです。傷病名と手術、処置の有無の組み合わせを数値と記号で表しています。平均在院日数(全国)では、厚生労働省より公表されている、全国DPC対象病院の令和元年度DPCコード別の平均在院日数を示しています。転院率とは、当院から他の病院に転院し、入院を継続することになった患者さんの割合です。
 なお、眼科については、上位3位全ての患者数が10件未満でしたので、公表いたしておりません。 
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■内科
 
 内科で最も多いのは、誤嚥性肺炎に関する手術等を伴わない診療でした。平均年齢は約87歳と非常に高齢の患者様が多い結果となりました。この場合、すでに何らかの合併症を有している患者様も多く、病態が重症化しやすいため、平均在院日数は全国平均と比べて長期化する傾向にありました。次いで多いのは、腎臓や尿の通り道である膀胱、尿道などの尿路の感染症でした。
3番目は敗血症に関する症例であり、平均年齢が81歳と高齢の方が多い結果となりました。
 それ以降は、体液量減少症(脱水症)に関する診療、次いで、心不全に関する診療で平均年齢は92歳と高齢の患者様が多い結果となりました。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xx0x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 副傷病なし 108 3.14 2.63 0.00 66.15
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 副傷病なし 66 10.15 9.79 1.52 79.70
060020xx04x0xx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 手術・処置等2なし 39 7.21 8.27 0.00 73.92
060060xx97100x 胆嚢、肝外胆管の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 34 11.41 14.49 0.00 77.50
060060xx97100x 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 29 8.45 7.65 0.00 60.21
 消化器内科で最も多いのは、内視鏡的手術を伴う大腸ポリープに関する診療で、手術の実施から退院までの日数が短いため平均在院日数が短くなることが特徴的です。次いで多いのは、胆管結石や胆管炎などに関する手術を伴う診療でした。状況に応じて内視鏡下での乳頭切開術などの治療が多く行われています。
 3番目に多いのは、内視鏡的手術を伴った胃がんに関する診療でした。早期のがんに対し内視鏡を用いた粘膜下層剥離術(ESD)などが多く行われています。それ以降は、胆のうがん、胆管がんに関する手術を伴う診療でした。ここでは特に、胆管がんの患者様に対し内視鏡的胆道ステント留置術を行った症例が多く集計されています。この手術は狭くなった胆管に内視鏡下でステントを通して、胆汁の流れを改善させるもので、状況に応じて行われております。5番目は穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患に関する診療が多く集計されました。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 110 26.77 17.71 1.82 85.60
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 106 2.67 3.01 0.00 67.67
050050xx02000x 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 81 3.94 4.40 0.00 71.22
050050xx99200x 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 59 2.34 3.15 0.00 68.66
050030xx97000x 急性心筋梗塞(続発性合併症を含む。)、再発性心筋梗塞 その他の手術あり 手術・処置等1なし、1あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 32 22.50 12.37 0.00 69.06
 循環器内科で最も多いのは、心不全に対する診療でした。平均年齢は約85歳と高齢の患者様が多い結果となりました。高齢のため、もともとの心機能が低下している方も多く重症化しやすいため、平均在院日数も全国平均と比べて長期化する傾向にありました。
 次いで多いのは、狭心症や陳旧性心筋梗塞などの虚血性心疾患に対する心臓カテーテル検査です。この検査では、カテーテルという細い管を手首や足の血管から心臓の血管まで通して、血管の状態等を確認する冠動脈造影が多く行われています。1泊2日から2泊3日の入院が多く平均在院日数も短い傾向です。
 3番目に多いのは、虚血性心疾患に対する心臓カテーテル治療です。こちらも心臓カテーテル検査と同じく狭窄・閉塞した病変部にカテーテルを通し治療をを行います。2泊3日の入院で治療が行われる症例が多くありますが、緊急で行うケースもあり患者様の状態に応じた診療を行っております。次に多く集計されていたのも、虚血性心疾患に関する診療ですが、こちらは2番目に多く集計されていた心臓カテーテル検査と異なるカテーテル検査を行う診療となっております。
 5番目は急性心筋梗塞に対し経皮的冠動脈ステント留置術等を実施した診療が集計されております。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 副傷病なし 165 4.78 6.19 0.00 1.33
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし 97 4.13 5.39 0.00 4.36
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎 手術・処置等2なし 66 3.71 5.73 0.00 3.91
0400801199x00x 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 52 4.81 5.69 0.00 3.37
030270xxxxxxxx 上気道炎 43 4.37 4.94 0.00 2.79
当院の小児科では、由利本荘・にかほ地域の小児入院施設として多くの症例を扱っています。
 なかでも最も多いのは、急性気管支炎、RSウイルス気管支炎などに関する診療でした。平均年齢は約1歳となっており、就学前の幼児の診療が大多数を占めています。次いで多いのは、急性胃腸炎、ロタウイルス性胃腸炎、アデノウイルス性胃腸炎などの胃腸炎で、こちらも半数以上は就学前の幼児となっています。
3番目に多いのは、インフルエンザやウイルス性肺炎に関する診療、それ以降は、細菌性肺炎、次いで、上気道炎と続いております。
 また、これら上位5つの診療の平均在院日数は、全国と比べてみると全てにおいて短くなっていました。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 60 11.40 8.89 0.00 72.82
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 42 5.86 4.85 0.00 63.81
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 39 3.49 3.34 2.56 72.41
040200xx99x00x 気胸 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 29 10.14 9.11 3.45 45.21
090010xx01x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等2なし 29 10.55 10.34 0.00 60.24
 外科で最も多いのは、イレウス(腸閉塞)に関する手術などを伴わない診療でした。次いで多かったのは、15歳以上の鼠径ヘルニアに関する手術を伴う診療となっております。
 3番目に多いのは、肺の悪性腫瘍を診断するための気管支内視鏡検査でした。検査入院が多く含まれるため平均在院日数は約3日程度と短くなっています。次いで多く集計されたのは、気胸の手術を伴わない診療となっております。5番目に多いのは、乳房の悪性腫瘍に関する診療で、乳房切除術を行ったものとなっております。
 なお、これら上位5位まで集計された患者数を合計しても外科全体の2割程度に過ぎません。それは、消化器系のがん、肺がん、乳がん、消化器系の疾患、胸腹部の外傷など多岐にわたる症例を扱っているためです。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 98 43.20 25.94 28.57 81.74
160760xx97xxxx 前腕の骨折 手術あり 38 10.05 5.54 0.00 62.68
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 副傷病なし 36 35.31 19.40 22.22 76.64
070343xx99x1xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 手術なし 手術・処置等21あり 30 3.47 2.73 0.00 70.77
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 23 35.30 23.56 0.00 76.83
 整形外科で最も多いのは、大腿骨骨折に関する手術を伴う診療でした。ここでは手術の中でも、大腿骨に対する人工骨頭挿入術などが行われた症例が集計されています。次いで多いのは、前腕の骨折に関する手術を伴う症例となりました。
 3番目に多いのは、胸椎、腰椎の骨折損傷に関する症例となりました。次いで、脊髄造影検査を伴う腰部脊柱管狭窄症に関する診療でした。脊髄造影とは、造影剤を用いて神経の圧迫や狭窄の様子を撮影する検査です。この症例の多くを検査入院が占めています。5番目では、膝関節症に関する手術を伴う診療が多く集計されております。
 転倒した高齢者や骨粗鬆症の方に多いとされる大腿骨骨折、胸腰椎圧迫骨折の症例は、平均年齢が70歳代後半~80歳代となっており、高齢の方に多いことがわかります。これらの症例において、当院における平均在院日数が、全国よりも長い傾向となっているのは、急性期治療後のリハビリテーションや退院後の生活を調整したりする方が多いことが理由の一つとして考えられます。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 52 33.46 16.13 7.69 73.08
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 44 2.91 3.01 0.00 60.18
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 30 36.33 18.81 10.00 68.47
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 28 33.07 16.16 3.57 79.71
010030xx03x00x 未破裂脳動脈瘤 脳血管内手術 手術・処置等2なし 副傷病なし 25 10.32 9.24 0.00 68.24
 当院の脳神経外科では、脳卒中に関する症例を多く扱っております。今回最も多く集計されたのは、脳梗塞に関する症例です。DPCにおける脳梗塞では、重症度に応じてDPCコードが細かく変動します。上の表では特に、①発症から3日目以内、②入院時の意識障害の程度がJCS10未満、③発症前Rankin Scale(※1)が0から2、④手術、特定の処置等を伴わない、⑤特定の副傷病を伴わない、⑥脳保護剤(エダラボン)の使用がある、といった条件に合致した症例が多く集計された結果となりました。上記の表には載っておりませんが、その他にも患者様の症状に応じてt-PAによる急性期血栓溶解療法や脳血管内手術などの治療も扱っております。
 2番目に多く集計されたのは、脳動脈瘤に対して血管内造影検査を行っている症例でした。この検査では、足の血管から頸動脈までカテーテルと呼ばれる細い管を通し、造影剤を用いて血管の状態や血液の流れを調べます。平均在院日数は約3日で、この症例のほとんどが2泊3日の検査入院でした。
 3番目に多いのは、手術を伴わない脳出血に関する症例でした。それ以降は、脳保護剤(エダラボン)を使用しない脳梗塞、次いで、脳血管内手術を伴う未破裂脳動脈瘤の診療でした。 
 (※1)脳卒中患者の機能自立度を評価するための指標。発症前おおむね1週間のADL(日常生活動作)より決定。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1なし、1,3あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 26 7 10.08 0.00 81.42
050163xx99000x 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし - - 8.28 - -
050180xx02xxxx 静脈・リンパ管疾患 下肢静脈瘤手術等 - - 2.78 - -
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし - - 20.84 - -
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし - - 17.71 - -
 心臓血管外科で最も多かったのは洞不全症候群、完全房室ブロックなどに対しペースメーカー移植術を行った症例でした。当院の循環器内科と連携し、患者様の状況に応じた治療を行っております。次いで多いのは、手術を伴わない腹部大動脈瘤に関する診療でした。
 3番目は、下肢静脈瘤に関する手術を伴う診療でした。それ以降は、誤嚥性肺炎に関する診療で、そのほとんどが当院の心臓血管外科を中心に通院中の高齢者の方でした。5番目は心不全に関する手術を伴わない診療の順で集計されております。

 なお、2番目以降の症例につきましては、患者数が10件に満たなかったため数値の表示は差し控えております。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等24あり 副傷病なし 163 3.20 4.58 0.00 65.52
120200xx99xxxx 妊娠中の糖尿病 手術なし 45 2.84 5.59 2.22 32.22
12002xxx99x41x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等24あり 副傷病あり 44 12.82 9.08 0.00 69.98
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 41 6.98 6.17 2.44 0.00
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 33 10.82 9.71 0.00 45.06
 産婦人科で最も多かったのは、手術を伴わない子宮頸がんや子宮体がんに関する診療で、特に化学療法を行っている症例で多い結果となっております。次に多いのは、妊娠中の糖尿病に対する教育入院で平均在院日数は短くなっています。
 3番目に多いのは、子宮頸がんや子宮体がんで化学療法を行うことにより白血球が減少する症例でした。化学療法をはじめとするがん治療により白血球が減少すると、病原菌に対する抵抗力が弱まるため、身体のあらゆるところに感染症を引き起こしやすくなります。それ以降は、新生児の低体重で出生した後の経過観察等を行った症例、次いで、子宮筋腫で子宮摘出術を伴う診療の順で集計されております。

耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 22 5.09 5.01 0.00 69.45
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 18 5.56 5.45 0.00 36.39
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 15 8.73 7.80 0.00 21.47
030390xx99xxxx 顔面神経障害 手術なし 15 12.40 9.13 0.00 59.67
030440xx01xxxx 慢性化膿性中耳炎・中耳真珠腫 鼓室形成手術 13 17.62 7.85 0.00 43.46
 耳鼻咽喉科で最も多いのは、めまいに関する手術を伴わない診療でした。次いで多いのは、手術を伴わない扁桃周囲膿瘍や急性扁桃炎、急性喉頭蓋炎などに関する診療でした。
 3番目に多いのは、扁桃肥大、慢性扁桃炎に対する診療で、そのほとんどが口蓋扁桃手術を行っております。次いで、同患者数で顔面神経麻痺に関する手術を伴わない診療、5番目は、慢性中耳炎や中耳真珠腫に関する鼓室形成手術を伴う診療でした。
 なお、上位2位、3位、5位のそれぞれの平均年齢は、36歳、21歳、43歳となっていますが、その内訳は、それぞれ20歳代を中心とした、10歳未満から70歳代までの幅広い年代の患者様で構成されていました。

泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし 76 15.63 12.58 1.32 78.41
110080xx991x0x 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 副傷病なし 63 2.13 2.49 0.00 69.33
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 55 9.29 7.07 0.00 77.53
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 手術・処置等1なし 副傷病なし 25 6.00 5.61 0.00 60.56
11012xxx97xx0x 上部尿路疾患 その他の手術あり 副傷病なし 17 13.29 7.38 5.88 71.12
 泌尿器科で最も多いのは、腎臓または尿路の感染症で手術を伴わない診療でした。次いで多いのは、前立腺の悪性腫瘍を診断するための前立腺針生検法を行う検査症例でした。こちらは1泊2日の検査入院が多く含まれるため平均在院日数は約2日となっております。
 3番目に多いのは、膀胱がんに対し経尿道的膀胱腫瘍切除術等を行った診療でした。膀胱がんの症例では状況に応じて、内視鏡下でがんの切除が行われております。
 それ以降は、腎結石・尿管結石に対して経尿道的尿路結石除去術を行う診療、次いで、同部位の狭窄に対して経尿道的尿管ステント留置術などを行う診療の順で集計されております。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 50 19 - 40 17 - 1 7,8
大腸癌 - 13 36 53 14 19 1 7,8
乳癌 36 20 14 - - - 1 7,8
肺癌 30 10 31 27 45 18 1 7,8
肝癌 - - - - - - 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 日本で現在、最も罹患数の多い5つのがん(胃がん、大腸がん、乳がん、肺がん、肝がん)の患者数を、病期ステージごとに集計したものです。なお、再発がんは症例数のみを別に集計しております。
 集計対象は、令和元年度中に当院の一般病棟に入院し退院された患者様です。同一の患者様が集計期間内に入退院を繰り返した場合は、それぞれの入退院を1件として集計しております。症例数が10件に満たないものは、個人情報保護の観点から表示しておりません。また、本集計では、DPCの最も医療資源を投入した傷病名が、胃がん、大腸がん、乳がん、肺がん、肝がんに該当した症例を集計対象としています。がん病期分類はDPC様式1データのTNM分類から出力しています。
 初発の病期分類はUICC TNM分類第7版、8版に基づいたものです。UICC病期分類とは、国際対がん連合(UICC)によって定められた分類で、[ 1.原発巣の大きさと進展度(T)、2.所属リンパ節への転移状況(N)、3.遠隔転移の有無(M)]の3つの要素によって各がんを0期~Ⅳ期の病期(Stage:ステージ)に分類し、がんが、どれくらい進行しているのかを判定します。StageIが早期であり、StageIVが最も進行していることになります。本指標では治療前に得られた情報から分類しております。
 
 当院は、由利本荘・にかほ医療圏においての地域がん診療病院であり、幅広くがん診療を取り扱っております。この集計でみると胃がん・大腸がん・乳がん・肺がんに対する診療が多い傾向がわかります。
 胃がんは早期であるStageⅠの患者さんの割合が高くなっています。当院では内視鏡診断を多く扱っており、早期のがんが発見された場合は、状況に応じて内視鏡による粘膜切除術を行うなどしています。また、乳がんでは進行したがんが少なく集計される傾向にありました。当院では、外来で乳腺専門のクリニックを定期的に設けており、がんの早期発見に努めております。
 肺がんでは他のがんと比べて、ステージ不明の割合が大きくなっています。これは、治療前の検査目的の短期入院に該当する患者さんが多いためです。令和元年度中は、気管支鏡による検査が多く行われておりました。この場合、検査結果が出る前に退院される方が大半で、入院中にステージ判定に至りません。したがって、不明として集計される症例が多い傾向にあります。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 92 18.42 76.97
重症 24 33.92 88.00
超重症 - - -
不明 - - -
 成人の市中肺炎について重症度別に当院の患者数、平均在院日数、入院日時点での平均年齢を集計したものです。
 集計対象は、令和元年度中に当院の一般病棟に入院し退院された20歳以上の患者様です。同一の患者様が集計期間内に入退院を繰り返した場合は、それぞれの入退院を1件として集計しております。症例数が10件に満たないものは、個人情報保護の観点から表示しておりません。 また、本集計では、DPCの「入院のきっかけとなった病名」および「最も医療資源を投入した病名」がICD10のJ13、J14、J15$、J16$、J17$、J18$に該当した症例であり、かつ、「市中肺炎」である症例を集計対象としています。
 ICD10とは、「疾病及び関連保健問題の国際統計分類:ICD-10(2013年版)準拠」のことで、世界保健機関(WHO)が作成した国際疾病分類です。国や保健所での死因統計、疾病統計などで利用されています。DPCでは、傷病名はこの疾病分類により決まったコードが付与され、グループごとに分類されています。

 肺炎は、ウイルスや細菌などが感染し、それが原因で肺実質に急性の炎症を起こす病気で、2018年において日本人の死亡原因の第5位となっています。また、発症場所により「市中肺炎」、「院内肺炎」、「医療ケア関連肺炎」に分類することができます。
 市中肺炎とは、病院や介護施設に関わりのない場所で発症した肺炎です。そのため、病院内で発症した肺炎、肺結核、誤嚥性肺炎、老人施設・長期療養施設で発症した肺炎等は、この中には含まれておりません。
 重症度は、「市中肺炎ガイドライン」で採用されている「A-DROPスコア」という重症度分類によるものです。「A-DROPスコア」では、[ 1.Age(年齢):男性70歳以上、女性75歳以上、2.Dehydration(脱水):BUN 21mg/dL以上または脱水あり、3.Respiration(呼吸):酸素飽和度 90%以下、4.Orientation(見当識):意識障害、5.Pressure(血圧):収縮期血圧 90mmHg以下 ]の五つの指標を使用しています。入院時の状態に該当する項目の合計数をスコアとし、軽症[0点]、中等症[1~2点]、重症[3点]、超重症[4~5点、もしくは、4点以下でも意識障害(ショック)がある場合]の4段階に分けて集計を行っています。

 当院は中等症の肺炎に対する診療が多い傾向にあり、全体の8割弱を占めていました。また、中等症以上の患者様の平均年齢は70歳代後半から80歳代となっており、高齢になるほど肺炎にかかりやすく、重症化しやすいという傾向がうかがえました。  
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 207 35.60 78.19 10.95
その他 - - - -
 脳梗塞の症例について、当院の患者数、平均在院日数、入院日時点での平均年齢、転院率を集計したものです。集計対象は、令和元年度中に当院の一般病棟に入院し退院された患者様です。同一の患者様が集計期間内に入退院を繰り返した場合は、それぞれの入退院を1件として集計しております。
 また、本集計では、DPCの最も医療資源を投入した傷病名が、ICD10のI63$に該当した症例のみを集計対象としております。ICD10とは、「疾病及び関連保健問題の国際統計分類:ICD-10(2013年版)準拠」のことで、世界保健機関(WHO)が作成した国際疾病分類です。国や保健所での死因統計、疾病統計などで利用されています。DPCでは、傷病名はこの疾病分類により決まったコードが付与され、グループごとに分類されています。
 「発症日から」の項目は、患者様が発症後何日以内に来院したかを示す項目です。具体的には、患者数を「3日以内(脳卒中の発症から3日以内に来院)」、「その他(発症日4日目以降に来院、もしくは無症候性)」に分けております。なお、「その他」については、患者数が10件に満たなかったため、数値の表示は差し控えております。
 転院率とは、該当する症例のうちで、当院から他の病院に転院し、入院を継続することになった患者さんの割合です。

 脳梗塞は、脳血管疾患の中でも多い疾患で、脳血流障害により障害された箇所の脳細胞が死んでしまう病気です。脳血管疾患は2018年における日本人の死亡原因の第4位となっています。I63$に分類される傷病は、「アテローム血栓性脳梗塞、心原性脳梗塞、ラクナ梗塞」などの脳梗塞です。当院はI63$に対して診療する患者数が特に多くなっております。また、平均在院日数は、他の傷病より長い傾向にありました。急性期医療を終えた後は、患者様の状況に応じて地域包括ケア病棟でのリハビリテーションに力を入れていることが主な理由の一つとして挙げられます。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 114 1.08 1.08 0.00 66.89
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 88 3.34 8.6 0.00 79.84
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) 36 0.97 5.53 0.00 73.89
K6872 内視鏡的乳頭切開術(胆道砕石術を伴う) 25 2.80 7.28 4.00 81.76
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみのもの) 22 1.45 5.55 0.00 74.45
【診療科別主要手術別患者数等について】
 
 診療科別主要手術別患者数等では、診療科別に手術件数の多い上位5つまでの術式を抽出し、当院の患者数、平均術前日数、平均術後日数、転院率、入院日時点での平均年齢を集計したものです。手術は、入院中に行った手術の中で主たるもの一つのみをカウントしています。
 Kコードとは、診療報酬点数表での手術の点数コードです。今回の集計では、輸血関連(K920$)、創傷処理、皮膚切開術、非観血的整復術、徒手整復術、軽微な手術、およびすべての加算は、集計対象から除外されております。平均術前日数は、入院日から手術日までの平均日数で、手術日当日は含まれておりません。平均術後日数は手術日から退院日までの平均日数で、手術日当日は含まれておりません。転院率とは、当院から他の病院に転院し、入院を継続することになった患者様の割合です。
 なお、内科、小児科、眼科については、手術名称上位3位全ての患者数が10未満のため集計条件に該当しないため公表いたしておりません。
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■消化器内科 
 
 消化器内科では、内視鏡を用いた診断・治療に力を入れており、内視鏡下で行う手術が上位を占めています。とりわけ大腸ポリープ、大腸腺腫に対する内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術の症例数が多く、2泊3日の入院が多いため平均在院日数も短い傾向となっております。また、早期の胃がんに対して、内視鏡下で切除術が行われた場合は、内視鏡的胃ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層)として集計されております。
 その他にも、内視鏡的胆道ステント留置術、内視鏡的乳頭切開術といった胆・膵領域における治療も多く行われています。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 61 1.44 4.44 0.00 70.85
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他) 23 0.87 2.83 0.00 71.39
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 21 0.14 4.14 0.00 69.19
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) 19 0.05 26.68 0.00 70.89
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症) 14 0.07 23.50 0.00 74.36
 循環器内科では、心筋梗塞や狭心症などの冠動脈疾患や下肢閉塞性動脈硬化症などの末梢動脈疾患に対する手術(経皮的冠動脈ステント留置術や四肢の血管拡張術・血栓除去術等)が上位を占めております。これらの治療では、腕や足の血管からカテーテルと呼ばれる細い管を通して、狭窄・閉塞した病変部に対し治療を行います。外来で予定を立ててから入院治療が行われる症例が多く、術前・術後の平均在院日数は短い傾向にあります。その一方で、平均術前日数が1日に満たない症例は緊急手術で行うものもあり、患者様の状況に応じた治療を行っております。
 また、当院では、循環器内科入院中に、心臓血管外科と連携をとり、手術による加療を行う症例も多くあります。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 鼠径ヘルニア手術 44 1.16 3.57 0.00 61.30
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 15 1.40 6.93 0.00 65.13
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈,静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他に設置した場合) 14 11.07 23.14 0.00 70.79
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 12 1.00 5.42 0.00 62.58
K7161 小腸切除術(悪性腫瘍手術以外の切除術) 12 4.00 23.75 0.00 74.33
 外科で最も手術件数が多いのは、鼠径ヘルニア手術です。この手術を行う症例では、事前に外来で手術予定を立てた上で入院される方がほとんどで、入院期間も短い傾向にあります。
 2番目と4番目に多く集計されたのは、乳がんに対する乳腺悪性腫瘍を切除する手術となっております。3番目に多く集計されたのは、抗がん剤を投与するためのCVポートと呼ばれるカテーテルを体内に植え込む手術です。それ以降には、イレウス(腸閉塞)に対する小腸部分切除術が多く集計されております。
 これら上位5位までに集計されました手術の他にも、患者様の症例に合わせた多くの種類の手術を実施しております。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨,上腕,大腿) 87 6.70 35.67 21.84 80.79
K0462 骨折観血的手術(前腕,下腿,手舟状骨) 54 3.46 19.06 1.85 61.65
K0811 人工骨頭挿入術(肩,股) 33 8.21 35.18 30.30 77.58
K0821 人工関節置換術(肩,股,膝) 33 2.88 33.30 0.00 74.61
K1423 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方椎体固定) 14 1.43 31.79 0.00 71.21
 整形外科で最も多い手術は、骨折観血的手術(肩甲骨,上腕,大腿)でした。平均年齢は約80歳と高くなっており、高齢の方に多い骨折部位であることがうかがえます。平均術後日数が長めの傾向にありますが、当院はリハビリテーション科を有し、患者様の状況に合わせ術後リハビリテーションにも取り組んでいるためです。
 次いで多く集計されたのは、前腕や下腿の骨折に対する手術でした。患者層の内訳は幅広い年代で構成されていましたが、その平均年齢は約61歳となっております。3番目に多いのが人工関節置換術(肩,股,膝)でした。
 なお、手術名称のカッコ内に部位が表記されておりますが、その部位のいずれか1カ所に対して手術を行った場合に1件として集計しております。 
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1781 脳血管内手術(1箇所) 18 1.39 29.22 22.22 71.00
K1783 脳血管内手術(脳血管内ステント) 16 2.38 8.38 0.00 63.81
K178-4 経皮的脳血栓回収術 15 0.13 37.8 13.33 79.40
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 14 0.93 9.29 7.14 77.36
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) - - - - -
 脳神経外科で最も多く集計されたのは、脳血管内手術でした。この手術は開頭手術とは異なり、足の血管から脳の血管までカテーテルと呼ばれる細い管を通して病変を治療するので、肉体的な負担の少ない治療とされています。
 3番目に多かったのは、経皮的脳血栓回収術で、主に足の付け根から血管の中にカテーテルを挿入して行います。詰まっている血栓を回収除去したりすることで再び脳血流を開通させることを目的とします。閉塞血管を再開通させることで、症状の劇的な改善が得られます。脳梗塞の範囲を最小限に食い止めることで後遺障害の軽症化も期待できます。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K597-2 ペースメーカー交換術 21 0.29 5.1 0.00 82.29
K6173 下肢静脈瘤手術(高位結紮術) - - - - -
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) - - - - -
K5551 弁置換術(1弁) - - - - -
K5522 冠動脈、大動脈バイパス移植術(2吻合以上) - - - - -
 心臓血管外科で最も多い手術は、洞不全症候群や房室ブロックなに対しペースメーカー移植術を行った後で、電池の消耗したペースメーカーを取り換えるペースメーカー交換術でした。
 それ以降には、下肢静脈瘤手術、ペースメーカー移植術(経静脈電極)などの手術があります。
 なお、症例数が10件に満たなかった手術に関しては、数値の表示を差し控えております。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877 子宮全摘術 34 2.00 8.03 0.00 48.35
K861 子宮内膜掻爬術 31 0.29 1.58 3.23 57.32
K8654 子宮脱手術(腟壁形成手術及び子宮全摘術)(腟式、腹式) 16 2.19 8.25 0.00 69.63
K867 子宮頸部(腟部)切除術 13 2.00 2.00 0.00 45.92
K9091ロ 流産手術(妊娠11週までの場合)(その他のもの) 13 0.15 1.00 0.00 31.31
 産婦人科で最も多い手術は、子宮全摘術でした。こちらは、子宮筋腫の治療手段のひとつとして手術による加療が選択された場合に、当院で行われることの多い手術です。
 次いで多いのは、子宮内膜掻爬術でした。内膜掻爬術とは専用の器具で子宮内膜の組織を削り取るもので、当院では、子宮内膜増殖症や子宮体がんの病理学的診断をする場合や、産後の胎盤遺残などに対して行われております。3番目に多く集計されたのは、子宮脱手術となっております。それ以降には、子宮頸がんに対する子宮頸部切除術、次いで同数の、妊娠初期における流産の手術が続きます。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 15 1.00 7.20 0.00 22.93
K3192 鼓室形成手術(耳小骨再建術) - - - - -
K3191 鼓室形成手術(耳小骨温存術) - - - - -
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) - - - - -
K340-5 喉頭・声帯ポリープ切除術(直接喉頭鏡又はファイバースコープによるもの) - - - - -
 耳鼻咽喉科で最も多い手術は、扁桃肥大や慢性扁桃炎に対する口蓋扁桃摘出術でした。集計方法の関係上この表には表示されていませんが、口蓋扁桃摘出術の施行と同時にアデノイド切除術も多く行われております。平均年齢は約22歳であり、若い患者様に多くみられる症例であることがわかります。
 それ以降は、鼓室形成手術(耳小骨再建)、鼓室形成術(耳小骨温存術)、慢性副鼻腔炎に対して内視鏡下で行う鼻・副鼻腔手術、声帯ポリープ切除術と続きます。なお、患者数が10件に満たなかった手術に関しては、数値の表示を差し控えております。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 56 3.18 5.05 0.00 77.41
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 36 1.67 2.39 2.78 69.31
K610-3 内シャント又は外シャント設置術 24 15.04 11.79 0.00 71.17
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 19 1.32 3.74 0.00 60.05
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 19 4.47 7.89 10.53 69.32
 泌尿器科で最も多い手術は、経尿道的に行う膀胱悪性腫瘍手術でした。これは表在性の膀胱がんに対する治療のひとつで、患者様の状況に応じて選択されています。尿道から内視鏡を挿入し、がんを切除するので、開腹手術とは異なり比較的、肉体的に負担の少ない治療とされています。
 次いで多いのは、血液透析に関連する経皮的シャント拡張術・血栓除去術、内シャント又は外シャント設置術です。それ以降には、経尿道的に行うレーザーを用いた尿路結石除去術、次いで、経尿道的に行う尿管ステント留置術と続きます。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 35 0.52
180010 敗血症 同一 47 0.70
異なる 45 0.01
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 13 0.19
異なる - -
 播種性血管内凝固症候群、敗血症、その他の真菌症、手術・処置等の合併症の症例数をDPCの入院のきっかけとなった傷病名(以下、入院契機)と同一であるか、異なるかを区別して集計したものです。
 集計対象は、令和元年度中に当院の一般病棟に入院(もしくは入棟)し、一般病棟から退院(もしくは退棟)された患者様です。同一の患者様が集計期間内に入退院(入退棟)を繰り返した場合は、それぞれの入退院(入退棟)を1件として集計しております。症例数が10件に満たないものは、個人情報保護の観点から表示しておりません。また、本集計では、DPCの最も医療資源を投入した傷病名が、播種性血管内凝固症候群(DPCコード:130100)、敗血症(DPCコード:180010)、その他真菌症(DPCコード:180035)、手術・術後の合併症(DPCコード:180040)に該当した症例を集計対象としています。
 入院契機とは、DPCコードで分類されたDPC病名とは別につけられている、入院のきっかけとなった傷病名のことです。DPC病名と入院契機病名が「同一」の場合は、入院のきっかけとなった傷病名の診療を中心に行ったということを表します。「異なる」場合は、入院のきっかけとなった傷病名の診療目的で入院していますが、入院経過中に入院契機病名とは別に、その患者様がもともと持ち合わせていた疾患や入院中に発症した疾患に対する診療を中心に行ったということを表します。ここでは入院の途中から、播種性血管内凝固症候群、敗血症、その他の真菌症、手術・処置などの合併症に対する診療が中心になされたことを表しています。
 発生率とは、当院の全退院患者数に対して、各症例数(同一性の有無を区別したもの)が何割占めるかを示しています。
 医療の質の改善に資するため、臨床上ゼロにはなりえないものの少しでも改善すべきものとして発生率を集計しております。当院の播種性血管内凝固症候群、敗血症、その他の真菌症、手術・処置等の合併症の発生率は、いずれも1.2%未満でした。これらは重篤な原疾患の合併症として発症する例が多く、多様な患者様を診察していく過程上、完全に無くすことは非常に難しいことではありますが、今後も可能な限り改善するべく努めてまいります。
 敗血症とは感染によって全身性炎症性反応が引き起こされた重篤な病態を指すとされています。全身性炎症反応症候群(SIRS)は、以下の項目[ 1.体温>38℃または<36℃、 2.心拍数>90 /分、3.呼吸数>20 /分またはPaCO2<32 Torr、 4.末梢血白血球数>12,000 /μlまたは<4,000 /μl,あるいは未熟型白血球>10% ]のうち2項目以上を満たす場合に診断されます。
 真菌症とは、ヒトに病原性を示す一部の真菌が引き起こした感染症のことです。真菌とは真核微生物の一種で、この中にはカビなどが含まれていますが、ヒトに感染を起こすものはごく一部です。一般に免疫機能が正常であれば、真菌症の発症は稀だとされています。ただし、免疫機能が低下している場合などは、真菌が肺や肝臓などの臓器に入り込んで感染を生じ、重症化する場合があります。当院での真菌症の症例数は10件に満たなかったため数値の表示を差し控えております。
 手術・処置などの合併症は、診療上で手術や処置などを施行するのに伴い一定の割合で発生してしまう病態です。主なものとして手術後の出血や創部の感染症などが挙げられます。手術・処置に伴う合併症は必ず発生するわけではありませんが、どんな手術・処置でも起こる可能性があるもので医療ミスとは異なります。
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